2010/04/13

游氣風信210号


三島治療室便り

游氣風信

No.210 2010. .15
身体調整 三島治療室
経絡調整(鍼・灸・指圧・整体)・訪問リハビリ
介護保険支援員・介護予防運動指導員
464-0850 名古屋市千種区今池5-3-6-303
tel:052-733-2253
fax:020-4622-8762 
三島広志
 


今号の内容
游々雑感 
ケアマネ更新研修
お知らせ
募集:導引教室 保険治療
あとがき

游々雑感

ケアマネ更新研修
ケアマネジャーの資格取得から五年になります。その間に制度の変更があって丸五年経過するまでに更新研修が義務付けられました。そこで一月から三月までの間に計7日間のケアマネ更新研修を受講しました。概ね午前10時から午後5時半まで。嫌になるほどびっしり日程が組まれていました。

更新研修とは、ケアマネージャーの業務を継続するために設けられた講習です。わたしは実際の業務をしていませんから受講の義務はありません。しかし、更新研修を終えていないとケアマネ業務が不可能です。そこでいつでもケアマネができるよう受講することにしました。ただし、受講しないからといって免許が無効になることはありません。

わたしの期限は今年の63日。そこで昨年秋、県の福祉課に更新研修を申し込みました。ところが驚いたことに定員オーバーで受講不可能だとの弁。これは不可解です。義務付けておきながら定員を設ける。それには納得がいかないので食い下がりましたらキャンセル待ちを登録しろとのこと。待ち番号24です。今年になって空きができたからとの連絡。推測するに定員を増員したのではしょうか。研修のとき、キャンセル待ちをしていたという人が何人もいましたから。

というような顛末の後、1月半ばに飛び飛びで二日間の講義。会場は五年前に受講したところ。受講者は昨年の新合格者と業務に就いていない五年目を迎える更新研修者がほとんどで約700名とか。介護保険の成り立ちや現況、ケアマネージャーに対する社会的要求などのお話。正直、退屈でした。

二月に入ると連続二日、計四日で実務の講義。これも五年前にやったことの復習です。もちろんすっかり忘れていますからいい勉強になりました。介護保険を希望する人の調査や介護プランの立て方の勉強です。実際には調査(アセスメント)は認定調査員が行いますからケアマネは関与しませんが、おおよその内容を知っておくことは必要ですから学習します。

次の二日は現実のクライアントに基づいた実務研修。これが一番大変で、たくさんの宿題を当日持参しないといけません。わたしはK市のMさんの事例をレポートにまとめました。そして二日間にわたって6人編成の班で実務研修を行います。発表し批評し、意見を言い合うのです。これはケアマネジャーの業務に利用者と各業者の間を取り持つと同時に会議を実施運営する義務がありますからその体験学習になります。
これで一月は2日、二月は4日仕事ができなかったことになります。

最後は三月半ば。一日研修。介護予防についてです。この項目は五年前には無かったことです。介護保険が実施され、利用者にその意義が浸透するにつれて利用者が急増、税金が膨大にかかるようになりました。介護保険は40歳以上の国民の税金と国と市町村からの搬出金で行われます。それが当初の予想を上回る利用によりいつ経済破綻してもおかしくない状況になってしまったのです。そこで国が考えたことが介護予防。介護を受けなくてもいいように高齢者の生活スタイルを変えようというものです。具体的に言えば筋肉トレーニングと栄養改善。

当初、介護保険はその程度によって要介護1から5に分けていました。それをさらに要支援1と2を加え7段階に分けたのです。この要支援に対する勉強は今回の更新研修受講者とって初めてになるわけです。新合格者はその辺りの勉強をして受験していますからかえって詳しいことでしょう。

わたしは二年前、介護予防運動指導員の資格を取得しました。これは東京都老人研究所が出している民間資格です。ここで対象としているのは要支援のさらに前の段階、いずれ支援や介護が必要になるだろうと思われる人を炙り出すものでした。そうした方を特定高齢者と呼びます。

こうして国を挙げて要介護に至る前の二つの段階、つまり特定高齢者と要支援の高齢者をいかに要介護高齢者に移行させないかという取り組みが始まったのです。率直にいえば高齢者に甘えは許さないぞ、訓練しなさいということです。

いろいろな資格の中で更新研修が義務付けられたのはケアマネージャーと教員だけでしょう。教員のことは分かりませんが、更新研修が必要な理由とは、つまるところケアマネージャー(介護支援専門員)の業務範囲はまだ不明確であり、個々の能力も今ひとつ低い、さらに制度も発展途上(いずれ無くなるのではないかと推測する人もいます)なのでこうした更新研修が義務付けられているらしいのです。

確かにケアマネージャーの資格取得は他の資格に比べて容易い側面はあります。なにしろわたしのようにほとんどの人は机上の独学で合格するのですから。通学も通信教育の必要もありません。合格してから実務が7日間あるだけなのです。それを更新研修で補おうというのでしょう。

施行から十年。介護保険はまだ迷走しています。数十年の歴史を持つ医療保険も人口構成や予算の影響で右往左往していますから、介護保険の将来は予測不能と見ていいでしょう。これから先の介護状況は果たしてどうなっているのか。独居家庭がどんどん増えていますから家族による介護は期待できません。介護の期間も以前とは比較にならないほど長くなりました。きちんとした制度とそれを支える人的資産経済的裏づけ。これらを三位一体として構築していくしかないでしょう。人生最後の数年を少しでも明るく有意義にできる介護保険であって欲しいものです。

49回愛知学院大学モーニングセミナー
今日のお話は愛知尼僧堂の堂長青山俊菫師です。
したがってセミナーというより法話の会という雰囲気。青山師は禅道七十年という重鎮の風格を漂わせて登壇。
本日の資料は名言録。以下に紹介します。例によって近々愛知学院大学のHPに資料と動画が掲載されますから詳しくはそちらをどうぞ。資料の筆跡は青山師の墨書、活花もその手によるものだそうです。 愛知学院大学http://www.agu-web.jp/~seminar/

出会いは人生の宝
青山俊菫

「下農は草をつくり 中農は作物をつくり 上農は土をつくる 教育の畑の土づくりは親づくり」
東井義雄先生

人生は死を求めての旅
「正師を得ざれば学ばざるにしかず」道元禅師

「欠点が気になるうちは駄目ですね。欠点が長所に見えてこなければ。」京都大学元総長 平沢興先生

「病によって道心はおこり候」日蓮上人

「過ぎ去れるを追うことなかれ 未だ来たらざるを思うことなかれ 過去、そはすでに捨てられたり 未来、そは未だ来たらざるなり 今日まさになすべきことを熱心になせ 誰か明日死のあることを知らんや」
中部経典

「村の中に 森の中に はた海にはた陸に 心あるもの住みとどまらんに なべてみな楽土なり」
法句経

幽霊からの三つの学び
1.おどろ髪をうしろへ長くひいている
  すんでしまったことをくよくよといつまでもひきずる
2.両手を前へ出している
  まだ来ない未来をとりこし苦労する
3.足がない
  心が過去へ未来へととび今ここがお留守になっている

「失敗が人間を駄目にするのではなく 失敗にこだわる心が人間を駄目にする」

「投げられたところで起きる小法師かな」

「松影の暗きは月の光なり」

「茅をつかみそこぬればその手を傷つける如く あやまれる求道はその身を破滅に導く」
法句経

時に厳しく、時に慈愛の講話はさすがでした。斜め前の高齢紳士は眼鏡をはずしてしきりに涙を拭っておられました。見回すとあちこちの禿頭白髪が小刻みに揺れています。さすがにわたしはそこまでの水気はありませんから涙は出ませんでしたが感銘を覚える場面もありました。進行の福井教授も最後の挨拶で涙腺が緩んだ旨の挨拶をされていましたので多くの感動を招いたことは間違いありません。禅の普遍性は信心を超えて多くの賛同を呼ぶのでしょう。

このセミナーは医学部教授による健康テーマが圧倒的に多いのですが、今年度は視野を広げて文化・歴史・環境など多彩な講師陣が予定されています。

511「てんとう虫から生物多様性を考える」
名古屋大学大学院 新美輝幸先生
68「名古屋の文学があつい!」
愛知淑徳大学 清水良典先生
713「あいちトリエンナーレとは なに?」
実行委員会
810「生物多様性はなぜ人類にとって重要なのか?」      COP10総括参与 林清比古先生
914「地球温暖化で台風は巨大化する?」
ウエザーフロンティア東海副理事長 與語基宏先生
1012「尾張徳川はなぜ倒幕軍に木曽川の通過を許可したか?」愛知学院大学 文学部 黒田安雄先生

募集
●游氣会 導引按蹻教室
・東洋医療の考えと技法に基づく呼吸体操「経絡導引」を指導します。
・経絡の流れや用い方、ツボの位置、呼吸法を実践的に勉強しつつ、骨格や内臓の学習を行います。
・日常的な立ち居振る舞いや仕草、物腰の基礎となる経絡的身体操法を身に着けます。
会場
三喜神社(池下駅3分)
日時
毎週土曜日午前中10時半から12時まで
月、原則4回開催(盆、正月など異動あり)
入会金
2000円(患者および愛大講義終了者免除)
月会費
5000
持ち物
 運動のできる服装 メモ
無料見学歓迎 入会随時

お知らせ
三島治療室
午前9時から午後9時まで(最終受付8時)
完全予約制
木曜日定休(日曜・祝日営業)

●保険治療
以下の疾患で主治医の同意があれば保険治療が可能です。同意書は当治療室にあります。

○鍼灸
保険適応は運動器に疼痛を伴う疾患
 神経痛
 五十肩
 リウマチ
 腰痛症
 頚腕症候群
 頚椎捻挫後遺症(ムチウチ)
 その他
その他の疾患でも利用できることがありますからお尋ねください。

○訪問リハビリマッサージ
保険適応は麻痺性疾患、関節拘縮、筋萎縮、廃用性萎縮などによって運動機能障害を起こしているもの
脳血管障害後遺症 中枢性疾患 外傷性の麻痺 神経性疾患 筋肉や関節の障害 加齢による廃用性運動障害など
歩行困難な方への訪問リハビリマッサージを行っています。介護保険を受けておられる方は担当のケアマネージャーにお尋ね下さい。

あとがき
 サボりにサボって今年最初の游氣風信です。

 今年の桜は長く楽しませてくれました。新年度、桜のように元気にやっていきましょう。(游)

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