2010/05/02

漢方の効き目を科学する

asahi.comの記事です。
漢方の効果の検証が始まるのでしょうか。というか、今まで検証されずに使用されていたということも驚きです。
鍼灸も同様な研究対象になるかというと、こちらは個人技術ですから難しいでしょう。
こうした科学のメスが入って医学的根拠が確定されると、それらは現代医学の中に取り込まれていきます。それは制度の中での医療になります。
制度からはみ出した患者さんは、やはり以前と同じように根拠不明瞭ながらも他に方法がないから漢方や鍼灸を試してみる、という形で残っていくと思います。
鍼灸は「根拠がない」とか「迷信だ」とかと言われつつも、歴史のフィルターを掻い潜って命脈を保ってきました。ここには学と術の違いがあり、そう容易く定量化できない問題です。
以下、引用です。
 「漢方」がどんな人に効きやすいのか、医師が判定に役立てる指針作りに、厚生労働省研究班が今年度から乗り出す。慶応大病院、富山大病院など11施設が3年計画で数万人分の患者データを蓄積。体質や症状などと、効果との間に一定のパターンを見つけることで、科学的根拠の発見と治療の標準化につなげる。
 漢方は、西洋医学では治しにくい冷え性や、原因不明の体調不良の不定愁訴(ふていしゅうそ)など、様々な症状を総合的に治せると期待される。胃潰瘍(かいよう)などに効く柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)、インフルエンザに効く麻黄湯(まおうとう)など、現在148品目に公的医療保険が適用され、年間の売上高は1千億円以上。医師の7割が処方しているという。
 しかし、その効果について、医師の経験や患者の主観で判断することが少なくない。西洋医学の薬に比べて、科学的根拠の研究、蓄積が少ない傾向がある。
 厚労省研究班(主任研究者=渡辺賢治・慶応大漢方医学センター長)は患者の体質や症状などに応じて、薬を選ぶ判断材料を探ることにした。患者が受診の際、症状とその程度を0~100のスケールで入力し、西洋医学と漢方の診断名や処方薬のデータも集める。慶応大ではすでに約5千件のデータを蓄積。にきびや汗を伴う冷え性は「漢方が効きにくい」ことが分かった。
 慶応大の渡辺さんは「経験に基づく、伝統医学の匠(たくみ)の技について、きちんと科学的な根拠を示したい」と話している。(岡崎明子)

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