2010/05/19

「腕利き整体師」無資格治療の疑い 甲子園球児もケア

朝日新聞社の記事

昨日、整体師が無資格治療をした疑いで逮捕されたという記事がありました。

日本ではケガをさせなければ何の資格がなくても医療行為が可能なのです。
周囲を見回しても無資格のマッサージや整体、気功、カイロプラクティック、整膚などの治療院(無資格者が治療院と名乗ってはいけません)が一杯存在し、むしろ鍼、灸やあん摩・マッサージ・指圧師の資格を持っている人のほうが小さくなって営業しています。
有資格者には広告規制もあって地味な存在なのです。
資格のない人達は何の規制もありませんから広告も派手です(笑)。

今回はケガをさせたから逮捕されました。
昔、最高裁でケガをさせなければ職業選択の自由が保証されるので資格は要らないという判例が出ています。それ以来無資格者は大手を振って開業しているのですね。容疑者の「けがをさせなければ大丈夫だと思っていた」という供述から本人もそのこと自覚していたことが分かります。


また、世話になっている高校野球部主将の「部にとってかけがえのない人。治療してもらって良くなっただけでなく、人柄にも随分救われた」や、監督の「生徒も私も信頼していたからショック。今年、かかわってもらえないことはチームに痛手だ」という談話は資格の有無には関係なく腕が良ければ社会が容認するという事実を語っていて興味深いものです。


asahi.com

以下がその全文です。


医師免許がないのに医療行為である電気治療を長時間行い、けがを負わせたとして、千葉県警は18日、同県船橋市で整体院を営んでいた村田愛子容疑者(52)を業務上過失傷害と医師法違反(非医師の医業)の疑いで逮捕し、発表した。
県警などによると、村田容疑者は、「腕利き」と口コミなどで評判になり、多くのスポーツ選手が通院。一昨年夏と昨年夏の甲子園の出場校に同行し、球児のケアもしていた。整体院などから、東北から近畿にかけた10都府県45校の高校名が書かれた名刺を押収したという。
発表によると、村田容疑者は2008年11月から翌年12月にかけ、17回にわたって男女4人に電気治療器で電流を流す医療行為をしたほか、09年11月3日、4人のうちの1人の男性(74)の首などに約7時間電流を流して皮膚に全治約1カ月の低温やけどを負わせた疑いがある。
県警によると、電気治療は通常15分ほどだが、村田容疑者は7~8時間連続で流すことが多かったという。県警は、同容疑者が「患者から『長時間やると痛みが取れる』といった声があり、続けていた。けがをさせなければ大丈夫だと思っていた」と供述している、と説明している。同容疑者は、柔道整復師やはり・きゅう師などの資格もなかったという。
村田容疑者のケアを受け、昨夏、甲子園に出場した野球部の元主将(19)は「部にとってかけがえのない人。治療してもらって良くなっただけでなく、人柄にも随分救われた」。監督は「生徒も私も信頼していたからショック。今年、かかわってもらえないことはチームに痛手だ」と話した。

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