「白露」が終刊というニュース。
「白露」は飯田蛇笏、龍太父子による「雲母」終刊を受けて、新たに広瀬直人先生を主宰として起こされた俳句結社誌。
「雲母」は伝統ある結社誌で会員も多かったが主宰の飯田龍太が、俳句は元来禅譲するべきではないという信念を貫いて終刊となった。これは当時(1992年)ともすれば仲良しクラブとなりがちの結社の在り方に一席を投じた。
その翌年、広瀬先生が多くの会員の要望に応える形で創刊したのが「白露」。
広瀬先生は数年前、私がNHK松山制作の「BS俳句王国」に出演した時の主宰であった。それは丁度、七月、海の日の正午からの生放送だった。詳細はブログに書いてある。
その前夜、司会の鈴木さんや広瀬先生、駆けつけた地元の夏井いつきさんたちと午前1時過ぎまでスナックで飲みながら語り、朝も早くからホテルの朝食でご一緒した。
広瀬先生は初対面で無名の私にも実に穏やかに暖かく接して下さった。
放送後の食事会では
「君はよく勉強している。黒田さん(黒田杏子主宰)の『藍生』には夏井いつきとか君とか精鋭が大勢いるなあ」
と持ち上げてくださった。
放送の後、その脚で四国の会員の元へ行くとおっしゃるほどとてもお元気で疲れ知らずの方だった。
したがって「白露」が広瀬先生の病気による終刊と聞いて大変驚いている。82歳だそうだが、その歳の俳人はまだまだ大勢活躍している。広瀬先生にも復活を期待したい。
をりとりてはらりとをもきすゝかな 飯田蛇笏
手が見えて父が落葉の山歩く 飯田龍太
秋冷の道いつぱいに蔵の影 広瀬直人
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