2020/05/08

〇〇君への手紙


2020/05/08
〇〇様

新型コロナウイルスの猛威に社会が翻弄されております。まさに鴨長明の『方丈記』の世界です。私も感染対策のため方丈ならぬマンションの仕事部屋での蟄居の日々です。

〇〇君には折角大学生になられたのに通常の学業に入れず、オンラインという無機質な授業とのこと、早く直に交流が出来るようになると宜しいですね。かくいう私もオンラインの勉強会に参加したり、講師をしたりしております。おそらくコロナ以後、世界は大きく変化することでしょう。

この度は拙句集をお読み下さりありがとうございます。〇〇君にはそれぞれ思い入れのある句を鑑賞いただき嬉しく思います。句作は高校生から初めておりますから、およそ五十年間を一冊にまとめたことになります。後書きに書いたように趣味として実生活とは離れたところでの句作りですが、どうしても生活や人生と直接する部分があります。それは仕方のないことでしょう。俳句は私の人生と不即不離の関係でしたから。

縁あって俳句甲子園の審査員を承り、およそ十年担当させて頂きました。今も毎年お誘いがあるものの新しい風が必要だろうと遠慮しております。〇〇君は今後俳句とどのようにお付き合いをされるかは分かりませんが、あの時、俳句に情熱を傾けた事実は人生の糧になると思います。また、何より俳句に導いて下さった〇〇先生との邂逅は本当に大切な経験です。教育に限らず人と人との出会いは相互浸透的に互いを成長させます。堕落もさせます。〇〇先生は生徒から学ぶ姿勢の強い方です。まさに相互浸透を通して教育される素晴らしい先生です。〇〇中高六年間がこれからのあなたの人生を支えるインフラとして、力として常に心の底で勇気づけてくれると確信します。

言語の勉強をされるそうですね。素晴らしいことだと思います。そしてあなたが〇〇先生から学んだようにあなたも周囲の方の力になれることを祈念しています。

本当に丁寧にお読み下さりありがとうございました。
まだまだ予断の許されない日々が続きます。どうぞ希望と共に強く学んでいって下さい。


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