2012/11/28

blog「リハ医の独白」へのコメント

リハ医の独白

柔道整復師とあん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費の検討開始


http://d.hatena.ne.jp/zundamoon07/20121127/1354016476

いつも愛読し、かつ参考にさせていただいているblogです。
今回は表題の通り私の仕事にも直結する内容。

そこでコメントを書かせていただきました。
以下がそのコメントです。読み易く原文より改行を多めにします。



 訪問マッサージを行なって35年程になります。PT法が出来て10数年のころで、まだまだPTの絶対数が不足していた時代です。少し先輩のマッサージ師が講習でPTになっていたりもしました。

 当時の患者さん(脳卒中後遺症など)は、退院後為す術もなく畳の上に布団を敷いて寝ておられました。訪問するのはマッサージ師、たまに保健師や主治医。マッサージ師は能力以上に大変頼りにされていました。私も寝返り練習から四つ這いなど指導し、小机を用いて立ち、椅子に腰掛けることを目指しました。ある方は行きつけの喫茶店に行きたいという目的があったので室内歩行ができるようになった後、息子さんと一緒に喫茶店までの所々に腰掛けを置き、ついに目的を達成できたこともありました。患者さんは入り口で「皆さんお久しぶりです」と挨拶、知人も駆け寄って男泣きでした。


 その後、ゴールドプランなどで措置による福祉機器貸与、ヘルパーの訪問などが始まりました。保健師による在宅寝たきり患者の掘り起こしが開始され、我々に訪問の依頼もきました。退院後のリハのためと病院MSWからの紹介などもこの頃になると盛んになりました。地元医師会と鍼灸師会の連携も始まりました。


 ところが介護保健が始まると組織による抱え込みやPTの訪問が始まり、そろそろ訪問マッサージも不要な時代が来ることを予感させるようになりました。そこで私もケアマネを取得し介護の分るマッサージ師として訪問チームの一員としてターミナルにも関わったりしました。


 この頃になると訪問マッサージが儲かると考えた大手が参入して同意書を書く医師まで用意してごっそりと患者さんをもっていくようになりました。同意書は私どもにとって最も大切であると同時に最も書いて頂けない鬼門なのですが、それがあっさり通るという大手には勝てません。


 それでもほそぼそとケアマネなどの紹介で訪問マッサージは継続しています。現在はある老人ホームでDoctorやPTの指示を受けながら必要に応じて居室への訪問マッサージを行なっていますが、これには当然往療料金は発生しません。


 私自身、長年この仕事をしてきて、既に制度としては終焉を迎えるものだと考えています。また、百鬼夜行的な業種が荒らし回り、その余波でこちらに仕事が来なくなっているのも事実です。

 長々と失礼いたしました。いつも愛読させていただいているこのブログに、訪問マッサージの歴史的意義も些少はあったのではないかなと一言述べたくてこのスペースをいただきました。ありがとうございます。

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