2012/03/28

今池商店街謹製

今池商店街では毎年秋に今池まつりを二日間に亘って行なっています。
これはなかなか盛大なもので広小路今池交差点を挟んだ3つのブロックにそれぞれライブ会場があり、その周辺の路上には露天が軒を並べています。露天といってもほとんどは素人参加、素敵なものから奇妙なものまでズラリと揃えて皆様をお待ちしています。

商店街ではそれ以外にも今池商店街プロレスという奇想天外な催しを継続し、これが結構な人気を博しているらしく、すでに数回の興行を成功させています。

更に地味ですが今池フレーバーというものつくりのささやかな試みを秋と春、行なっています。
これが今回紹介の今池フレーバー。
今朝の新聞に春の今池フレーバーのチラシが入っていました。




なかなかおしゃれな出来栄えチラシです。

会場は今池公園。
今池の盛り場を南西に抜けた閑静な場所です。

内容は手作りブースとミニライブ、その他物々交換もあるようです。





夜の飲食街の印象が強い今池ですが、この催しは子どもが主役。

4月1日、11:00から19:00まで、雨天決行。
御用とお急ぎでない方、一度覗いてみて下さい。


2012/03/14

名整技友会の解散

先日、名整技友会の解散連絡が届いた。

名整技友会とは正式名称を「名古屋大学附属病院整形外科理学療法部技師友の会」という。
私はここに昭和53年(1978年)に入会した。

この会は発足が昭和29年。1954年のことである。
この会の趣旨は整形外科医の下でその指示に従って治療のできるマッサージ師の養成であったと思う。

それまで病院の整形外科で治療にあたっていたのはあん摩・マッサージ・指圧師であった。昭和40年(1965年)、理学療法士法が制定されるまではそうであった。
したがって私がマッサージ師の免許を習得した昭和54年はまだ理学療法士の絶対数が不足し、多くの病院で理学療法に当たっていたのはマッサージ師だった。しかし、マッサージ師の多くは町で一般の健康な人の肩こりや疲労回復の施術を得意とし、脳卒中後遺症などの方の対応は専門ではなく、しかも医師とは共通言語を有していないため、つまりカルテが読めないので医師にとっては使いにくい専門家だった。そこで名整技友会のように医療機関で働くためのマッサージ師の教育機関ができたのだ。

私は名整技友会で筋力テストや関節角度の測り方、脳卒中後遺症へのアプローチなど多くのことを学んだ。寝返りから四つ這い、座位から立位、車椅子への移乗、歩行という段階を追った訓練方法をしっかり身につけ、ある地方の基幹病院のリハビリ室で一年間勤務したこともある。

当時名整技友会で指導にあたっていたのは一時的な措置でマッサージ師の身分ながら講習と試験を受けて理学療法士の資格を得た人達だった。当時はまだそれほど理学療法士が不足していたのだ。今日の理学療法士過剰時代とは隔世の感がある。

そこで学習したことで特に興味深かったのは私が並行して学んでいた身体技法との共通点だった。

例えば脳卒中後遺症の患者は粗雑に触れると病的反射で筋肉が緊張する。逆にそっと親和的に触れると緩むという性向がある。これは私が最も深く学んだ増永静人先生(京都帝国大学心理学科卒)の経絡指圧の触れ方と共通するものだった。増永先生は指圧の技法を心理学で解きつつ、一つの体系を形成された方で海外でとても著名な指圧師だが、その原理と理学療法の触れ方と共通するものを見出して感動したことがある。

また野口体操で知られる野口三千三先生(東京藝術大学教授)は「身体は水を革袋につつんだものだ」と言われる。理学療法でも硬直した身体を緩めるために肩甲帯や骨盤帯を静かに揺すりながら緩めていく技法を用いるが、これはまさに丸太のように硬くなった身体を水の緩めていく考えで、野口体操との共通点を再認識した。

もう一つある。寝返りから座位へ移行する時などの身体訓練法。これは全て螺旋を描くように行う。座位から立位へ移るときも螺旋を描くように行うとスムースにできる。当時学んでいた坪井香譲先生(早稲田大学心理学卒)のメビウス気流法という身体技法がスパイラルを重要視していたので、その共通項にも驚いた。

こうして理学療法の技法は同時に学んでいた様々な身体技法と相まって若かった私の中に浸透沈潜していったのだった。これは東洋医療と現代医学を結ぶ実に興味深い経験だった。それは名整技友会において学んだからこそ得られたものだ。

開業志向の強かった私は開業した後も、居宅で闘病している方の下に通ってリハビリを行った。未だ理学療法が一般的ではなかった時代だったので、病院で何も訓練をしないで家庭に戻った方が多かった。そこで寝返りから座卓を用いて立位へ移動、歩行まで持っていくという訓練を行うケースも多かった。寝たきりの男性が近所の喫茶店まで歩いて行ったときは馴染みの客が拍手で迎えてくれた。その方はその場で感涙にむせんだことを記憶している。

当時(昭和55年、1890年頃)は在宅での患者への手助けはほとんどなく、患者の家を訪れるのは月に一回から二回の主治医の往診、時々訪問する保健婦だけ。彼らの下にこまめに通って励ましていたのは私達マッサージ師だった。

その後、ゴールドプラン(平成元年・1989年)や新ゴールドプラン(平成6年・1994年)が施行され行政措置によるヘルパー派遣や福祉機器の貸与、デイサービスなどが実施され介護の現場が革命的に変革し、2000年(平成12年)施行の介護保険によって今日に至っている。私もその流れに沿ってケアマネージャー(介護支援専門員)の資格を得た。

現在、養成学校の急増で理学療法士は十分な数が社会に供給されている。介護保険による居宅への訪問リハビリもある。したがってそれまでの病院での訓練は理学療法士、居宅に戻ったらその後をマッサージ師が行うという住み分けが壊れ、次第に理学療法士が家庭にも進出するようになった。当然のことながら病院はマッサージ師を必要とせずほとんど理学療法士が施術を行なっている。

こうした歴史の流れからついに名整技友会もその役目(病院勤務のできるマッサージ師の養成)を終えようとしているのだ。これは寂しいことだが時の流れの中でしかたのないことだろう。奇しくも名整技友会は私の生まれた年に発足し58年が経過している。私自身、社会的にはそろそろ定年の年だ。一つの時代が去っていく。無論私自身は未だ引退することは考えていないし引退するだけのゆとりもないが。。。。

現在、ある老人ホームで訪問マッサージの仕事を依頼されてその場で多くの時間を費やしている。そこでは若い理学療法士や作業療法士、言語聴覚士と協働したり分担して仕事を行なっている。残念ながら私の理学療法の技量や知識は彼ら専門家に比して大きく劣っている。しかし私には35年という経験の蓄積がある。彼らの生まれる前から仕事をしているのだ。35年前、居間の畳に布団を敷いてそこで寝ていた脳卒中後遺症などの患者やそれを介護する家族の底知れない苦痛。先の見えない不安と共感してきた。医療の届かない場所での介護。マッサージのために差し入れた手に褥瘡の血がべっとりつくことはざらだった。また、老人家庭では最初におむつ交換をしてから施術に入ったものだ。疲弊した家族にはおむつ交換も重労働だった。

その後、措置による介護の制度が施行された。
派遣されたヘルパーのことを神仏のようにありがたがったおじいさん。ベッドやエアマットの貸与で実に多くの家族が腰痛から救われたこと。それまで剥離した皮膚が布団の中に雪のように積もっていた患者が、ヘルパーの訪問によりピカピカに磨き上げられて清潔になった感動。
これらは今日の介護状況しか知らない若い理学療法士たちにとっては実に驚くべき事実だ。
私はその時代も知っているし、当然のことながら今日の状況も知っている。その点で、自分自身、まだ現場にいる価値はあると信じている。

今日もケアマネとしておしゃれなリハビリ機械に囲まれたデイサービスで利用者と会ってきた。往時を知るものとしてその格差に感慨深いものがある。

元来、東洋医療の魅力に惹かれてこの道に進み、西洋医学的アプローチも知りたくて名整技友会に入会したのだが、今日この両輪を続けてきてよかったと思う。つくづくそう思う。

そして名整技友会の終焉。一抹の寂しさを感じつつこの文章を書いている。
奥田先生、吉田先生、一枝先生、林先生、渡辺先生、高瀬先生。。。。すでに鬼籍に入られた方も多くなりましたが、当時は大変お世話になりました。



マッサージの効果

ネット上に以下のレポートがあった。
ありがたい報告だけどどこまで信頼性があるのか。


マッサージの効果を科学的に評価することは難しい。
薬と異なって技術が個々で異なるし、技量も違う。
相性もある。
そもそも医療として認知されているのかという疑問もある。

それでも普遍的な作用が明らかになっていくことはこの業に関わるものとしては嬉しい。

マッサージ効果に科学的根拠を発見=研究 - 
WSJ日本版

http://jp.wsj.com/Life-Style/node_407348?mod=WSJ3items

2012/03/12

アーカイブス

以前書いていた游氣風信を読みたいという人がいたので
アーカイブスをお知らせします。

http://h-mishima.cocolog-nifty.com/yukijuku/

分野別になっているはずです。

2012/03/02

健康保険を扱う以上は・・・・

宮城県における訪問マッサージの規制
「リハ医の独白」より
http://d.hatena.ne.jp/zundamoon07/20120301/1330611167




「内科開業医のお勉強日記」より


http://kaigyoi.blogspot.com/2012/03/blog-post_8074.html

こうした指摘が時々医師から上がってくる。

治療に健康保険を使う以上、心しなければならない問題だ。