2020/06/05

津田篤太郎先生と増永静人先生

樋口直美 *新刊『誤作動する脳』医学書院

『誤作動する脳』という著書で知られる樋口直美さんがTwitterで津田篤太郎先生の書かれた『漢方水先案内人』についてツイっとしておられました。
 https://twitter.com/HiguchiNaomi/status/1268321469513129984
 

 昨日ツイートで見かけた #津田篤太郎(医師)著『漢方水先案内〜医学の東へ』(医学書院 シリーズ #ケアをひらく)。素晴らしい本です。後藤グミさんのイラストも好き。 今、なんとなく体調のすぐれない方達にもおすすめ。

 『まったく歪みのない状態、過不足なくバランスのとれた状態は病気から最も遠い状態ですが、そこでじっと留まっているのは、実は死んでいるのと同じです。「歪んで戻って、歪んで戻って」を繰り返していること自体が生命であり、人間である、ということなのです。』津田篤太郎著『漢方水先案内人』

私は嬉しくなって、このツイートに応えて書かせて頂きました。

この本に度々登場する増永静人という指圧師は私の恩師で40年前に亡くなっていますが、津田先生のお陰でまた新たな命を与えて頂きました。ありがたいです。

すると樋口様からお返事がありました。

わ〜。そうなんですね。もしよろしければ、何か印象的なお言葉とかエピソードとか、教えていただけますでしょうか?

そこで想い出すまま幾つかエピソードを書かせて頂きました。


 津田先生が参考にされたのは増永静人著『経絡と指圧』です。これは増永没後その業績を残したいという奥様の情熱で生まれました。増永があちこちに書いた文を総括的にまとめて欲しいという話が私の元へ来たので一覧にし、それを元に本が完成しました。このことを知る人は奥様と私以外いません。

 子どもがつまみ食いをするとき、その手を払って叱っても駄目。手を伸ばす原動力は空腹にある。まずそこを満たしてやらないと。。。増永静人先生がよく講演で話していました。手は目立つ、胃は見えない。見えない物を見るのがプロだよと。

 親切とは親を切る?違いますね。親とは親しく近くにいること。子どもにとってそれは親。友人なら親友。親しく近くにいて身体に切り込むように触れ、深奥で痛みや辛さに共感すること。これを切と言います。だから親切。漢方では触れることを切と言います。

 患者さんが先生も病気になるのですかと言う。もちろん病気をする。痛みも病気も知らない死なないような人に人の痛みや辛さが分かるだろうか。弱く儚い施術者だから患者さんの辛さに共感できるのではないか。痛みも分からない鉄のような人に施術されて患者は幸せだろうか?

するとまたまた樋口様からお返事を頂きました。

 増永静人先生の貴重なお話、ありがとうございました。 『漢方水先案内』でも「触れること」の話が印象に残りました。

嬉しい出来事でしたのでブログに書かせて頂きました。

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