2010/01/09

経絡導引1・9

『素問 異法方宜論篇』

東方之域、天地之所始生也。魚塩之地、海濱傍水。其民食魚而嗜鹹。皆安其處、美其食。魚者使人熱中、塩者勝血。故其民皆黒色疏理。其病皆爲癰瘍。其治宜砭石。故砭石者、亦從東方來。

西方者、金玉之域、沙石之處、天地之所收引也。其民陵居而多風、水土剛強。其民不衣而褐荐、其民華食而脂肥。故邪不能傷其形體。其病生於内。其治宜毒藥。故毒藥者、亦從西方來。

北方者、天地所閉藏之域也。其地高、陵居、風寒冰冽。其民樂野處而乳食。藏寒生滿病。其治宜灸焫。故灸焫者、亦從北方來。

南方者、天地所長養、陽之所盛處也。其地下、水土弱、霧露之所聚也。其民嗜酸而食胕。故其民皆緻理而赤色。其病攣痺。其治宜微鍼。故九鍼者、亦從南方來。

中央者、其地平以濕、天地所以生萬物也衆。其民食雜而不勞。故其病多痿厥寒熱。其治宜導引按蹻。故導引按蹻者、亦從中央出也。

中国大陸の東方は天地の始まる所である。海浜の東方に住む人達は魚と塩分を多く摂取する。魚で体内に熱が中り、塩で血が汚れる。よって皮膚は黒く肌理が粗い。血の過多からデキモノを病むので砭石で瀉血治療をする。瀉血療法は東方から伝わった。

西方は金玉を産する砂漠で天地の収引する所である。人々は山の穴に住み、風に当たる。風土の厳しいところである。人々は腰当だけで服を着ない。肉と脂肪をよく食べるので身体が丈夫になり外邪に強い。しかし内から毒が出る。そこで薬草で治療をする。湯液治療は西方から来た。

北方は天地の閉蔵する所である。高い山で暮らす。気候が寒く水が凍てる。人々は遊牧し、乳製品をよく食べる。よって内臓が冷えて病が生じるので灸で温めて治療をする。灸は北方から伝わった。

南方は天地が長養し陽が盛んな所である。土が柔らかく霧露が集まる。人々は酸味と胕(発酵食品)を食す。よって皮膚が肌理細かく赤い。痙攣や麻痺になるので鍼で治療をする。鍼は南方から来た。

中央は平坦で湿気がある。天地の生じるところで万物が集まる。雑多なものを食べ労働しない。四肢の気血循環が良くなくて痿厥(なえる・つかえる)寒熱となる。よって導引按矯が効果的である。導引按蹻は中央で生まれた。


方向
生活環境
食生活
体型・体質
病気
治療
東方
海浜
天地の始まる地
魚・塩分
顔色が黒い
肌理が粗い
熱中・多血・癰瘍
砭石
西方
砂漠・鉱石が取れる
天地収まる地
乳製品・肉類
筋肉が肥厚で丈夫
外感病が少ない
内患である飲食所傷
湯液
北方
気候が寒冷
天地の閉蔵
乳製品
内臓の冷え
寒の病

南方
陽光が充足・炎熱
天地長陽
霧露集聚・湿気が多い
酸味・発酵食品
顔色が赤い
肌理が細かい
痙攣・痺れ

中央
平坦


雑多・豊富
労働が少なく
気血循環が悪い
痿痺寒熱
導引按蹻

ここに現代日本人に導引按蹻が必要なヒントがある。




導引按蹻・游氣会
464-0850 名古屋市千種区今池五丁目3番6号サンパーク今池303号
052-733-2253

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