2012/05/19

《速報》 コーヒーを多く飲むほど総死亡率が低下

坪野吉孝氏(山形さくら町病院精神科・早稲田大学大学院客員教授)が、朝日新聞系のサイトアピタルに連載されている「やさしい医学リポート」。いつも拝読しています。


今回は珈琲が総死亡率に影響を与えているという内容でした。
コーヒーを多く飲むほど、総死亡率が低いという論文が、ニューイングランド医学誌5月17日号に公表された。
というもの。珈琲好きにはありがたいレポートです。


ところが珈琲好きはタバコが好き、肉が好き、酒飲みで野菜を食べない傾向が強いので、そのままの調査結果では珈琲を飲む人はそうでない人に比べて総死亡率が高いのだそうです。
コーヒーを多く飲むグループは、少なく飲むグループと比べて、生活習慣が「不健康」な傾向があった。具体的には、喫煙者の割合が高く、多量飲酒者の割合が高く、牛肉や豚肉の摂取量が多く、野菜や果物の摂取量が少なかった。
そこで、珈琲以外の影響を統計的に処理した結果、反対に総死亡率が下がりました。
 喫煙などの影響を統計的に除去した分析では、コーヒーを飲む杯数が多くなるにつれて、総死亡率もしだいに低くなる傾向が見られた。

具体的には、コーヒーを飲まないグループの総死亡率を1とした場合、1日1杯未満、1杯、2~3杯、4~5杯、6杯以上のグループの総死亡率は、男性では、それぞれ0.99倍、0.94倍、0.90倍、0.88倍、0.90倍。女性では、それぞれ1.01倍、0.95倍、0.87倍、0.84倍、0.85倍だった。
また死因別に見ると、コーヒーを多く飲むグループでは、心疾患、呼吸器疾患、脳卒中、外傷や事故、糖尿病、感染症による死亡リスクが低かった。一方、がんによる死亡リスクは低くなかった。

しかし文末には
ただし著者らは今回の結果について、コーヒーを飲むことが原因となって総死亡率の低下という結果が生ずるという真の「因果関係」を示しているのか、あるいは、もともと健康で総死亡のリスクが低いグループがコーヒーを多く飲むなどして、見かけ上の「相関関係」を示しているだけなのか、今回のデータからは判断できないと留保している。
今回と同様の大規模な追跡調査での検討が、さらに待たれるところだ。
とありますから、こうした研究の結果を鵜呑みにして一喜一憂することは危険ですし、正しく研究するとは本当に大変なことだと思います。

怪しい健康食品はこうした結果を都合よく喧伝して売られていくのでしょうね。

わたしは喫煙しませんから他の食事をコントロールして行こうと思います。あ、酒もほどほどに。。。です。


https://aspara.asahi.com/blog/medicalreport/entry/NZl71oYroi

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