2012/12/17

忙しいケアマネのこれだけ!医療攻略法

仕事でお付き合いのある医師飛田拓哉先生が著書を出されました。


『忙しいケアマネのこれだけ!医療攻略法』

              医療処置別・持病別に明日からすべきことがわかる!


出版は日総研刊。定価は2476円+税です。




飛田先生は安心生活在宅クリニックあおいの院長であると同時に安心生活株式会社代表取締役として居宅型有料老人ホームや訪問介護事業所などの経営に当たっておられる現役の医師です。しかもミシガン大学でMBAを取得されておられます。



裏表紙には

連携テクニックと医療サービスの使い方に自身がもてる!

とあり、具体的に

総論 医療資源の上手な利用の仕方
  ・病院 ・訪問看護 ・医師 ・訪問リハビリテーション
各論 病状別ケアマネジメントのツボ
  ・医療処置別 ・持病別
医療資源別・病状別 これだけ!確認チェックリスト

と紹介してあります。

ここから分るようにこの本は医療連携や医療知識に悩むケアマネ向けに書かれています。つまり基礎資格を医療系ではなく福祉・介護とするケアマネです。最近の傾向としてケアマネージャーを目指す人のほとんどが介護士を基礎資格とすると言われています。以前は看護師と介護士が半々でしたが、現在は圧倒的に介護士出身のケアマネが増えてきているのです。つまり今後はますます福祉系のケアマネが活躍するということです。

私もケアマネを取得しています。基礎資格は鍼灸マッサージ師です。一応基礎資格は医療系となりますが東洋医療ですから現代医学にも福祉にも介護にも弱いという中途半端な存在です。ですからこの本からは実に多くの示唆を受けました。

具体的に言えば、バイタルサイン。クライアントの意識レベルの見方。著者は「呼びかけてみて」「揺さぶってみて」「眼・手足・声をみる」の三つを紹介しています。そして眼はどうだったか、手足は動いていたか、声を出したかという確認。これを医師に報告するだけでも大変重要な情報になると書かれています。現場の医師なればこその具体的な解説です。「呼びかけても、揺さぶっても反応なしです」と具体的に報告することで医師は対応がとてもやりやすくなるのです。

さらにバイタルサイン。現在では必需品のパルスオキシメーター。酸素の血中飽和度を検べる器械です。身体を侵襲しませんから誰でも簡単に扱えます。しかも手のひらに入るコンパクトさ。この数値も大切な情報です。

この本にはその他、病院や医師、看護師、PTなどの医療資源との付き合い方やケアマネとして医師とどう付き合うとスムースな連携が取れるか、さらに具体的な病気の方の対応の仕方が実に具体的に書かれています。
難しい表現もなくハウツー本として必要なところだけ拾い読むこともでき、座右に置いておくと重宝する本です。

ケアマネだけでなく訪問介護や訪問マッサージなど医師と離れて直接クライアントの居宅に出向いて仕事をする職域の方には特にお勧めです。

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