2021/01/02

春風献上

 

春風献上

 

 昨年『天職』という句集を上梓しました。

 

漢方医療の基本理念は「天人合一」です。夏目漱石の好んだ「則天去私」もこれに近いものでしょう。

 

諸説ありますが、古代中国の思想の根本は天の存在です。天は動物としてのヒトに生(いのち)を与え、歴史的、社会的存在としての人間に命(天命)を授けます。それに即して生きなさい(則天去私)というのが天の思想です。天職とは天から与えられた職に他なりません。天命に直接関わる仕事が天職となります。

 

しかし皮肉なことに天から降ってきたコロナウイルスの影響によって高齢者施設への出入りが不可能となり、天職と思っていた仕事が半年間、ほぼ出来ませんでした。今後も先行きは不明です。

 

それでも新しい太陽は昇ります。諦めずに前進していきましょう。今年が皆様にとって佳き年でありますように。

元旦

【正月の一句】

元日の空青々と淋しけれ 原石鼎

 

 意味明瞭の一句。感覚的にも共感できます。原石鼎(18861951)は大正時代の代表的な俳人。「淋しさに又銅鑼打つや鹿火屋守」という代表句に因んで「鹿火屋」俳句会を主宰しました。私は大学一回生の時、入会して俳句を本格的に開始しました。その時の主宰は石鼎亡き後の会を守った奥様のコウ子先生でした。




 




今年も大晦日の雑務を終えて年が変わる直前オフィスを出発、日泰寺まで散歩しました。さすがに今年は道中も境内も驚くほど人がいませんでしたが、お参りはしないで門前から写真を写して帰りました。

 

日泰寺は日本とタイの友好の象徴的な寺院です。山門には仁王さんではなくタイの僧侶が立っています。管理も数年単位で各仏教宗派が行うようです。

 

コロナウイルスへの対応は人類が試されているのではないかと思われます。医学を中心とした自然科学的対応と、人文科学的な適応、即ち政治的、経済的、社会的行動のみならず孤独と向き合う個々人の生活が今後も継続することでしょう。

 

それでも人類は過去幾度も遭遇した感染症に敗北することなく今日まで生存してきました。寒い冬、感染を上手に賢く恐れつつ時を待ちましょう。

 

本年が佳き年でありますよう祈念いたします。

 

株式会社オフィス三島

三島鍼灸指圧治療室

三島広志

 

 

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