前のブログで紹介したB氏の奥さんから詳細なメールが届きました。
奥さんは日本人です。
アメリカでの生活感(観)を率直に書かれています。
日本人は米国社会ではマイノリティであることは日本で暮らしている限り意識することはありません。
しかし米国で暮らすとそうはいかないでしょう。以前、日系三世の女性が指圧の勉強に来ていました。ある日、彼女がしみじみと言ったことがあります。
「日本はいいわ。日本人であることを意識しないでいい。差別されることも無い」
この言葉に大変驚きました。
外国で暮らすということの重さを初めて知った瞬間です。
今回いただいたメールでは日本人女性で米国人男性と結婚し、米国で暮らしている方のものです。
その夫は40代半ばにして医学部を目指すという暴挙。
夫を支えつつ支えられつつ、今回医学部の門に辿り着いた感慨が素直に述べてあります。
これはジャーナリストの文章ではありません。現実にもがいている人の文章です。あるいは彼女の偏見も書かれていることでしょう。そのことは彼女自身も述べています。それを十分にご理解のうえ読んでいただけると幸いです。
以下の文章は彼女からの何通かの私信をわたしが編集して掲載しています。
―B夫人からのメール―
お伝えしてなかったかと存じますが、
6年シスコで暮しました。それなりの生活のパターンも出来ていましたから、
実はこの朗報は1月に既に手元に届いておりました。が、さまざまな事
果たして外人妻を抱えながら収入なく、借金で生活出来るのか、現実を直視するのが怖いほど不安で
今現在、恵まれた環境にいるのでそれを捨てていくのは実にもったい
夫は医学部入学試験の成績は問題ないのですが、ある理由で3年間,補欠のまま医学部入学の望みは叶いませんでした。
3度も補欠合格となった夫です。きっと何度も諦めかけたと思いま
両者の違いは単に可能性だけのようです。
ここアメリカにおいて「平等」
医学部入学においても夫よりMCAT(
ちなみに白人男性は三角形の底辺に位置するくらい低い優先順位で
今回悟ったことは、ともかくいくら成績が良くても人種の壁はどうしようもないという事でし
夫は現在科学雑誌の仕事をしています。
夫は今日から住居の下見をかねて東へ飛びました。
これからまた山あり谷ありでしょうが若い学生とともに苦難を乗り
―メールここまで―
オフレコの部分は省略しました。
米国では人種の比率によって採用の比率も決められているようです。それで成績のいい白人男性より成績の悪い有色人種などが優先的に合格するという現実があります。それを身をもって体験されたのですね。
B夫人はこの件に類似した以下のニュースも送ってくださいました。
米国社会共通の問題でもあるようです。
過剰な黒人優遇は逆差別 米最高裁が逆転判決
【ワシントン30日共同】米最高裁は29日、消防士の昇進試験で黒人を優遇した米東部コネティカット州ニューヘブン市の措置は、白人に対する逆差別で容認できないとする判決を下した。
米国では公民権法の下で黒人を優遇する積極的差別是正措置(アファーマティブ・アクション)が長く行われてきたが、判決は人種に基づく少数派優遇の行き過ぎに歯止めをかける内容。今後、全米で採用や昇進の在り方に影響を及ぼしそうだ。
判決などによると、ニューヘブン市で03年に実施された消防士昇進試験の結果、黒人受験者が1人も昇進できなくなった。市当局は人種差別だと訴えられることを懸念し試験結果を破棄。このため白人受験者らは昇進の機会を逃した。
最高裁は9人の判事中5人が、市の行為は人種差別を禁じた公民権法に反すると指摘。「試験に合格し昇進の資格を得た個人に、人種に基づいて損害を与えることは正当化できない」と判断し、下級審判決を覆した。判事4人は判決に反対する少数意見を出した。
2009/06/30 16:13 【共同通信】
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